ブームになっているジャケットやコートの素材は、牛と羊の革が主流となっています。
一口に牛革と言っても、成長の状態によって、カーフ、キャプ、ブルと言うように分けられ、また、
牡よりも牝の方が革もしなやかで、良質とされています。 |
1)動物の種類による分類
【 牛 革 】
カーフ・・・・・・・生後6カ月以内の商品で、薄く柔らかできめ細かく美しい。
面積が小さいので最も高価。薄手で弱い。
キップ・・・・・・・生後6カ月から1年前後の商品で、カーフより強く、使いやすい
上質革。
ブ ル・・・・・・・生後2年以上の成牛の革。厚手で丈夫だが堅い。
【 羊 革 】
シープ・・・・・・・緬羊の革で、柔らかく軽いため、衣服に多く用いられている。
キップなどに比べるとキメが荒く、弱く安価。
インド羊は高級品とされます。
ゴート(山羊)とシープは通常混同されて称されています。
キッド・・・・・・・軽くて薄い子ヤギの革で高級品。
【 豚 革 】
ピッグ・・・・・・・牛革についで利用範囲が広い。毛穴が大きく、
皮の裏側まで貫通しているため、丈夫さに欠けます。
ペッカリー・・・・・野豚で柔らかい。パキスタン産の高級品。
【 その他の皮革 】
ポニー・・・・・・・馬革で摩擦に弱いため衣服にはあまり使われない。
ただし、尻の部分だけは、コードバンと言われ丈夫で
美しい光沢があります。
セーム・・・・・・・鹿革でとても柔らかくしなやか。
手袋や帽子、ガラス拭きに多く使われます。
オーストリッチ・・・ダチョウの革で羽根を抜いた後の突起模様が珍重
されています。
カンガルー・・・・・・牛革よりもしなやかで丈夫で変形しにくいため、
高級靴に使用されています。
2)使用方法による分類
皮革製品は、その使用方法によって全く違った風合いになります。
【 銀 面 】
皮革の表面、毛穴のある側を銀面と言います。光沢のある表皮は薄く、下の銀面層
は非常に丈夫で、その下の網様相は組織が粗く弱い構造になっています。
【 ヌーバック(銀ズリ)】
銀面の表面を削り、光沢を取ってビロードのような風合いにした商品を銀ズリ革と
言います。
【 スウェード 】
銀面の側を裏にして使用した商品です。裏面を砥石や金剛砂で摩擦してビロード
のような風合いに仕上げます。この独特な風合いからコートやジャケットに使用
されています。
【 床 革 】
これはスウェードのまがいものと言ってもいいような劣悪な商品です。
高齢の厚く堅い牛革などの表面を深く削り、下の網様相(
床革 )部分を
スウェードのように見せた商品です。
組織が粗い事から毛羽の立ち方が雑然としていて、柔軟と言うよりもペラペラ
の感じで、強度にも問題があります。 |
|